自民党総裁選が9月末に行われようとしています。基本的にどなたがなってもアベ・スガ政治の継承では期待できません。岸田氏が出馬表明するにあたり「憲法を改正する」と宣言しました。今、憲法53条の規定にのっとり衆参どちらかの国会議員の1/4以上の要求があったら内閣は国会を開会しなくてはなりません。拒否はできません。憲法に定められた義務です。しかし、憲法には「何日以内」との規定がないことを良いことに自公政権は国会を開かず憲法無視(憲法違反)の姿勢を続けています。規定がないのは「1/4以上の要求があったらすぐに開くこと」が前提となっているからです。憲法を変えることよりもまずは憲法にのっとった政治を行うことが先ではないでしょうか。そして「急いで憲法を変えてほしい」との意見は各世論調査でも1割程度しかありません。9割の方は性急な議論を望んでいません。自民党が今、狙っている改正は「緊急事態条項」の創設です。これは緊急事態宣言とはまるで違います。そして、コロナ感染症の収束ができないのは憲法のせいだと言わんばかりです。改憲派の言い分では今の憲法では私権の制限ができないそうですが、これは嘘だとすぐにわかります。今の憲法でも無制限の私権を認めていません。公道を「走りたいから」と時速100㎞で走れるでしょうか?「作りたいから」と隣の敷地にはみ出して家を建てられるでしょうか?すぐにでも捕まってしまうでしょう。それを禁じる法律があるからです。あくまでも私権の制限には国家の都合良い解釈で決定されないように慎重であるべきですが、無条件で認められているわけでもありません。コロナ対策でも同じことです。緊急事態条項が導入されれば内閣が国会の承認を得ずに法律と同等の効力を有する「政令」を発布できます。緊急事態の期間も内閣が自由に決められます。何年も、何十年も。こうして、緊急事態条項を利用し独裁を可能にしたのがナチスのヒットラーです。まさに麻生氏が言った「ナチスに学んだらどうか」の提言?通りに自民党は改正しようとしています。私達の権利は天から与えられたものではありません。先人たちが弾圧や圧政と闘い勝ち取ってきたものです。今やるべきは憲法改正ではなく、憲法を生かす政治です。