民間に任せることが最良のサービス提供か?


今まで様々な公共サービスが民間に委託されてきています。前例を踏襲しがちな行政では豊かなアイデアは出にくいとも感じます。しかし、丸ごとなんでもかんでも民間企業に公共サービスを委託するのは危険です。
民間企業の第一優先事項は「利益を出すこと」です。当たり前ですが利益が出なければ委託を受けません。民間企業が通常の業務活動で適度な利益を出すことを悪とは思ってはいませんが、公共サービスで利益を出すために真っ先に削るのは人件費です。
特に社会福祉施設は人の命を預かる場所です。ある調査では保育園で、社会福祉法人が運営する園の人件費率は7~8割に対して、株式会社の運営する園では4~5割。ひどいところでは2割なんてところもありました。当然、粗悪な労働環境はサービスの低下に直結します。そのようなところでは次々と保育士が入れ替わり、子どもたちにとっても不安ですし、大きな事故にもつながりかねません。事故が起きたら委託先の民間企業の責任というのでは無責任です。
人の命を民間企業の利益へ提供することはやるべきではありませんが、今行われている公共サービスの低下をしっかりと止める条例等(サービス低下をさせない最低賃金や労働待遇の規定)の策定は早急に必要です。