ベーシックインカムは貧困対策になるの?


ベーシックインカムとは一定の金額を定期的に政府(行政)から支給する施策です。昨年このコロナ禍で日本共産党は市民の皆さんと一緒に「自粛を求めるなら、補償はセットで。一律給付金の支給を」と訴えてきました。自粛が呼び掛けられ、経済活動が止まり、雇止めにあう方も続出しました。それらの方々にはホントにありがたい支給だったと思います。「これが恒常的に振り込まれるなら良いのでは」「働かないでお金がもらえるなら良いのでは」と考える方がいても不思議ではありません。「社会保障が今のまま維持されるのであれば」なのですが。まあそんな虫の良い話はありません。
竹中平蔵氏が提唱しているベーシックインカムの本当の目的はあらゆる社会保障制度の解体です。そして、年金、健康保険や雇用保険などは企業と働く方の折半で成り立っています。この企業側負担を減らしたい。その分も企業利益に上乗せしたい。これこそがベーシックインカム導入の本当の狙いです。

年金や保険の運用を市場に任せて金融でもっと利益を出せるようにしたい。こんな狙いがあります。病気になっても全額自己負担。万が一働けなくなり、その間の生活費用は全て借入。生活保護制度も無くなります。年を取っても年金はありません。「保険や年金は自分で、すべては自己責任でやってね」と言う中身です。株式の運用など、利益を上げる人がいれば当然損をする人がいる。今やAI導入で0.0何秒の間に売り買いされる株式市場で素人が利益を出せるでしょうか。まさに、プロボクサーチャンピオンに格闘経験のない素人がボクシングの試合を申し込むようなもの。一体、税金は何のために納めるのか?

そして、賃金も大きく下がるでしょう。毎月定額で7万円~10万円振り込まれるのですから、その分賃金も引き下げられるでしょう。「ベーシックな収入」と解釈されるのですから。
うまい話には必ず裏がある。残念ながら打ち出の小づちはないってことでしょう。デメリットをきちんと説明せず、見せかけのバラ色のことばかりの宣伝に乗せられてしまうととんでもない目にあってしまう。そんな一つの例だと思います。