どうして憲法を変えたいのか?


岸田首相が盛んに憲法を変えるべきとの旗を振り、日本維新の会などがそれに同調の姿勢を見せています。ところで「憲法は変えなくてはダメだ」とおっしゃる方に「今の憲法の何が問題でどこを変えたいのか?」この問いに明確に答えられる方は私は会ったことがありません。大抵が「中国に舐められる」といった感情論です。世論調査でも1割程度の方しか緊急の課題として「憲法改定」と答えていません。憲法を変えたい理由の本丸は戦争放棄を明記した9条の改定です。自衛隊を軍にしたい。国際社会で日本を認めさせたい(軍を持つことで認めさせたいとの思いは歪んでいると思います)。これは軍事費とリスクを削減したいアメリカからの要求でもあり、軍需産業を発展させたい経済界の要求とも合致しています。戦争では究極の浪費ができます。大量の物資が必要となり、破壊活動がメインとなるなので元の生活に戻す復興には莫大な予算が注ぎ込まれます。そして最新武器は青天井で取引が行われます。軍需産業界は常にどこかで紛争があってほしい、平和な世界では困ってしまうのです。しかし、誰もが思うことですがそれにより私たちの人権のみならず、尊い無数の命が奪われます。そして、「9条で国は守れない。積極的平和のために憲法を変えよう」等と唱えている人の誰一人として戦場には行かないということです。戦場に行かされるのは常に若者です。日本国憲法は私たちを権力者から守っています。一時の勢いで憲法を変えてしまったらもう後戻りはできません。破滅への道をまっしぐらです。武力では何も解決しないことは歴史が教えてくれています。その教訓として日本国憲法が定められ、基本的人権、国民主権、平和主義によって私たちの生活は権力者から守られてきました。権力者は常に権力の拡大とその継続を望みます。憲法を変えることよりも今ある憲法を生かした政治を行うこと。先ずはそのことが優先課題ではないでしょうか。