「女性候補は選挙に強いのだからもっと候補者を立てたら良い」とのご意見を頂きました。
日本共産党は今回の都議選で19人当選者の中で14人女性でした。2年前の統一地方選挙では、日本共産党の新人候補のうち女性候補が8割の当選率だったのに対して男性候補は4割しか当選できませんでした。これにはいろいろな要素があると思います。単純に女性、男性だけとの事では語れない部分はあると思いますが、政治不信が高まると清潔なイメージがある女性候補の方が間違いがないとの判断があるのでしょうか。また、日本共産党以外の政党はまだまだ、女性候補者が少なく女性候補は相対的に目立つという利点はあると思います。
女性候補者が増えない限り女性議員は増えて行きません。そこで「じゃあ女性候補者を増やせば良いじゃないか」との意見になっていくのだと思いますが、そうは簡単ではないのです。候補者になると言うことは公人として住所や生い立ち、家族構成など明らかにし、街中に自分の顔がポスターで貼り出されます。それだけでも相当なハードルですが、女性候補者は男性候補者よりも、より家族や周囲の理解と協力が必要となる現実があります。子育てをしていれば何気ない「子どもは大丈夫なの?」そんな言葉一つで傷つきますし、男性候補者はまず、そんなことは言われません。さらに候補者は「票ハラ」(1票をチラつかせて自分の無理な要求をする)を受けたり、「パワハラ」女性候補はこれに「セクハラ」(1票をチラつかせて体を触られる等)も加わります。抗議をすれば「そのくらいの事でガタガタ言うなら当選なんかできないぞ」と逆切れされる。「ダメなものはダメなんだ」こういった当たり前のことが根付かない限り、いくら良い女性候補が見つかったとしても引き受けてはもらえません。
候補者は机上の駒ではありません。それぞれに人生があり、家族がおり、友人がおり、仕事があります。候補者一人一人を大切にできなければ女性候補者も当然増えて行かないのです。女性候補者数と女性議員数は政党の女性に対する考え方を映す鑑なのだと思います。