「コロナはただの風邪だ」「ワクチンを打つとマイクロチップが埋め込まれる」等、ちまたには新型コロナウィルス感染症について様々な噂が流れています。新型コロナウィルスは今までに人類が経験したことのない新たなウィルスであり、分からないことも未だに多くあるため、不安から様々な憶測が飛び交うのだと思います。これは新型コロナウィルスに限ったことではなく、噂の古いところでは「ネッシー」や「雪男」「ツチノコ」なんかもこの類にあたるのかと思います。「いるかもしれないし、いないかもしれない」この類はSFというか未知の生物に対するロマン的なところもあります。しかし、前述の「コロナはただの風邪だ」は科学的根拠に乏しい言説です。また、この噂が拡がることにより多くの方々に「害があるのかないのか」も大きいと思います。
広い意味では宗教や信仰も願いや想像の類に該当するかもしれません。一般的に「神様の奇跡」など実際に目に見えないものを信じたり、世の中には科学では解明できていない現象も数多くあります。そして多くの方々が初詣に行って1年の無事をお祈りしたりしています。信仰がデマと言っているわけではもちろんありませんが、こう言ったものが心の支えとなり多くの方の生活の規範となっていることも事実です。海外では無宗教の方が珍しかったりします。何を信じるのか。これは思想信条の自由として憲法で保障されていますし、絶対に犯してはいけないことだと思います。
科学的根拠は乏しいですが「コロナはただの風邪だ」と信じることは自由なのだと思いますし、これを信じることで迫害を受けることがあってはならないと思います。しかしながら、これを流布する時に誰かを傷つけていないかを少し考えてほしいのです。実際には目に見えないかもしれませんが(電子顕微鏡レベルなら見えるのですが)そのウィルスの存在により多くの方々が苦しめられています。新型コロナウィルス感染症によりお亡くなりになった遺族の事。今でも後遺症に苦しんでいる方々。懸命に治療にあたっている医療関係者の事。懸命に自粛を続け、感染防止に神経を使いながら営業している方々。その他いろいろな方。その方の前で「コロナはただの風邪だ」なんて言えるのでしょうか。信じることは自由ですが、それを言ったり、マスクをせずに行動することが相手に嫌な思いをさせ傷つけることになっていないか。「信じることは自由だ」と言う前に、相手を思いやる気持ちも同時に必要ではないかと思います。