私は約20年前転勤で大阪に住んでいました。約3年住み、2年ほど間をおいて約2年。合計5年間住んでいました。2度目の転勤を打診された時は上司から「大阪転勤は誰も了承しない。お前しか受けてくれそうな人がいないんだよ」って大阪に対してどんなイメージを持っているのだろうとは思いました。
会社は谷町9丁目にあり初めに住んだのは天満橋。2度目は京阪野江に住んでいました。大阪に住んだことがなければよくわからないと思いますが谷町9丁目はなんばから駅2つ。大阪環状線のほぼ真ん中。天満橋は梅田に近く、野江は城東区(大阪城の北東)にあります。環状線を東京の山手線をイメージしてしまうと街の大きさは全然違います。北の大阪駅を中心とした梅田と南のなんばが中心繁華街だと思いますが、直線距離で3kmくらいでしょうか。自転車でも楽々移動ができます。大阪は坂が少ないので自転車は手軽な移動手段です。「大阪の人はどこにいるか迷ったら見渡して大阪城を探せば自分がどこにいるのかが分かる」との話もあります。
初めて行ったときは大阪駅と梅田駅は別な場所だと思っていました。実はほとんど同じ場所で、JRは大阪駅、阪急や阪神の私鉄は梅田駅というだけです。お国から「大阪駅にしなさい」というのに対して反発した私鉄が「梅田駅にする」と決めたそうな。大阪は伝統的に東京への反骨精神があるんだと思います。
相当、前振りが長くなりましたが、大阪の政治の話です。私が住んでいた時はぎりぎり大阪維新の会を作った橋下氏がまだ茶髪弁護士としてテレビに出ていたと思います。まさかそのあとで政界に転身するとは思ってもいませんでした。2年前大阪に行ったときにまず驚いたのが御堂筋(梅田となんばを結ぶ主要道路)の路面がデコボコ。白線もほとんど見えない状態。私が住んでいた時はこんなことはなかったです。天王寺に新世界という場所があります。通天閣がある場所です。すっかりきらびやかな観光地になっていてびっくりしました。これは維新政治の特徴的なことだと思いました。道路の舗装については正直、札幌や仙台、広島や金沢、福岡など見てきた中では政令指定都市の中では最低だと思いました。地味な道路舗装など、しかし住民にとって本当に必要な部分の予算は徹底的に削る。見栄えのする新世界や大阪城、天王寺動物園などは民間に委託をし、電飾やプロジェクションマッピングなどきらびやかなもの、見栄えのする部分には予算を使う。例えが合っているのかどうかわかりませんが、立派な見栄えのするスーツをバリっと着こなした方のパンツが履き古されてボロボロのイメージ。
大阪の方がどのような街づくりを望むかは大阪に住んでいる方の選択だと思います。しかし、人気取りばかりでインフラ整備をおろそかにしてきた政治は今現在、医療崩壊という形で現れました。何を大切に行政をするべきか。コロナ禍での大阪が私たちに教えてくれているのではないでしょうか。