私が就職のために住んでいた仙台から上京し、お茶の水(文京区)にある設計事務所に就職が決まったのでまずは中央線沿線で家を探しました。地理なんかほとんど分かっていません。希望家賃は6万円。しかし、中央線沿線では相当遠くに行かなくてはならないと分かりショックを受けました。次に目を着けたのが京浜東北線。乗り換えは必要ですが、蒲田まで行けばなんとか希望する金額で住む場所が見つかりそうでした。当時、友人が世田谷区用賀で就職したのもその近くの大田区に住む動機の一つでした。JR蒲田駅西口の新蒲田にて東京での生活をスタートさせました。今からもう、25年以上前の話です。ここは2年しか住みませんでしたが、どうやら大田区とはずっと縁があったようです。
福島にいた姉が結婚し東京でアパートに住んでいましたがそれが東糀谷の呑川のそば。たまに訪ねると町工場が多く、玄関先にはドラム缶がおいてあり、キリコ(金属の削りカス)が入っていました。なんとなく油の匂いを覚えています。今ではもうすっかり少なくなってしまいましたが。父が他界し、福島で一人でいた母が孫の面倒をみたいと、上京を決意し姉宅そばで住む家を探すことに。当時、練馬区に住んでいた私は「別々に暮らしているよりも一緒に」と現在の羽田2丁目に住み始めたのでした。
最寄り駅は大鳥居駅となるのですが、京急空港線では朝の通勤時、大鳥居より前の居住できる駅は穴守稲荷駅と天空橋駅しかなく、あまり乗る方がありません。天空橋駅以前はもうほぼ羽田空港ですので朝8時の電車ではまだ各地から飛行機が到着しておらずガラガラ。「座って通える」とのメリットがあります。設計事務所は帰りが遅く、ほとんどが終電。帰りの電車ではそんな遅い時間に羽田空港へ行く方はいませんのでこれまた混んでいません。電車については東京の通勤ラッシュにほとんどあわないという面では京急空港線は穴場でお勧めです。ただし、通勤時は横浜方面と品川方面が交互、昼の時間帯と休日はほどんどが横浜方面しか来ないので京急蒲田で乗り換えになるのは多少面倒です。また、支線ゆえの悲しさで終電が早いです。会社を出る時間により「大鳥居(最寄り)コース(徒歩5分)」「京急蒲田コース(徒歩20分)」「JR蒲田駅コース(徒歩30分)」があり、「ああー今日は徒歩30分かあ」と歩く時間の選択を思いながら終電車に揺られるのでした。海と多摩川が近いのは良いですね。羽田2丁目ではあまり感じませんが、多摩川と海に近い羽田6丁目まで行くとほんのりと潮の香りがします。盆地で暮らしてきた私はとても新鮮に感じます。
横浜も近く、都心にも行きやすく家賃もそこそこですので慣れればよい街かと。
空港が近いのでキャビンアテンダントの方とコンビニなどで良く会いました。ピチと後ろでまとめた髪型に大きいガラガラを引いているのですぐにわかります。しかし、この2年間ではこの姿は全く見られなくなりました。日本共産党の区民要求アンケートでも「私たちがなにか悪いことをしたの?」「雇止めにあいました」と悲痛な言葉も見られました。
これで、もっと住民に寄り添った大田区政であればいうことはないのですが。