非常に分かりにくい選挙制度


選挙は定められた選挙期間内に行い、投票した方の有効投票数で当選が決まります。私は政党勤務員として裏方の経験もあります。裏方をやって感じることは今の選挙制度とは「素人が簡単に手が出せない制度」だと思います。一つ例にとると街角に貼られているポスターは選挙の告示6カ月前から候補者の単独ポスターは貼れない様になります。全体の1/3以上の大きさに候補者を取り上げてはならず、特別に一人だけ文字を大きくしたりしてもダメで、文字の大きさをそろえなくてはなりません。そして、あのポスターは「選挙用ではなく演説会の告知である」と言う建前です。選挙期間前の選挙運動は事前運動として禁止をされています。あのポスターは政治活動です。(多くの方は選挙活動と政治活動の違いは何なの?だと思いますが、選挙運動とは特定の候補者に投票を呼び掛ける行為で、政治活動は憲法で保障がされています)必ず小さく「街頭演説〇月〇日△△駅前」と入っているはずです。そして、ポスターの人は候補者ではなく「弁士(お話をする人)」なのです。ほとんどは、選挙投票日後に演説会の設定がされているはずです。告示後には公営掲示板以外のポスターは貼り換えもしくは撤去しなくてはなりません。その演説会開催の日よりもだいぶ前に撤去されることになります。普通に考えて統一地方選挙などでは何百もの選挙区があり、弁士になっている党の幹部が告知の全部で演説会を開催をするのは事実上無理ですし、国会や情勢が動いている中で6カ月以上前から党幹部の日程はとても押さえられません。
まれに「〇月〇日△△駅前に◇◇さんが来るのですか?」と聞かれ、(急にそんな演説会決まったのだろうか?連絡なかったけど・・・。)「どちらでお知りになったのですか?」「ポスターに書いてあったのをメモしていました」(ポスター?あっ!ああ~!)「ごめんなさい。中止になりました・・・」(ホントにごめんなさい・・・)

写真は2019年足立区議会議員選挙で実際に失敗した事例です。良く見ると小さい文字ですが演説会の告知が投票日当日になってしまっています。これに気が付くのは政党関係者ぐらいだとは思いますが。足立区の方の話によると統一地方選挙からわずかに1カ月ほどずれた足立区は全国政党は他の地域から応援が入ります。「統一地方選挙が終わったばかりでは力の集中ができない」との某政党の主張で投票日がずらされ、議員がいない空白期間ができる異常事態に。「まさか議員空白ができるほど日程がずれるはずがない」と見込んで印刷してから日程が決定したので、投票日に演説会なんかありえないのですが、仕方なく矛盾したまま貼ることになったのでしょう。与党同士なのだから情報交換ができなかったのですかね。
いかに選挙制度のルールの中で候補者や党の政策を知ってもらうか。期日前投票も緩和をされ、告示日の翌日からは期日前投票も始まります。告示日前は選挙運動はしてはいけないという制度でありながら翌日から投票ができると。何を基準に投票すれば良いの?気になる候補者の演説や政策もまだ聞いてないのに・・・。実際には「告示前に票読みは終わらせている」なんて党もあるくらいです。
あえてヘンテコルールを作って新規参入者を拒んでいるようにも感じます。もっと、市民が気軽に参加できる選挙制度にしていかないと民主主義は成熟していかないのだと思います。まあ今の政権は民主主義が成熟しては困ると考えているのでしょうけれど。だからより難解な制度のままなのかなと思います。