様々な「権威」について


人はその意見がどうかよりも「〇〇さんが言っていたから」と有名人や知識人の言葉を盲目的に信用してしまう方が少なからずおります。宗教(教祖)に対する信者とでも言うのでしょうか。これは楽なことなんだと思います。自分で考えることもなく、自分の発言に対して責任を感じる必要がないのですから。
権威と少し話がずれたかもしれませんが、1年ほど前に鉄道高架下にスケボーパークが出来ました。民間の運営会社が作ったものでしたが、できた当初「あんな役に立たない物を作って」と怒っていた方がおりました。スケボーがどの程度需要があるのかはわかりませんが、その辺の公園でやるよりは、専用のパークで練習した方が一般の公園利用者にも危険が少ないのではないかと思っています。もっと地域での需要が高い駐輪場などへの利用が望ましい場合は違う場所に作った方が良いとは思います。しかし、駅からも離れており、また、その周辺で駐輪場が欲しいというような要望もありませんでした。その方に一昨日お会いしたら「スケボーで金メダル取ったよ!」と興奮気味におっしゃっていました。1年前には「役に立たない物」と言っていたのに・・・。
音楽でもロックバンドなど紅白出場が決まった途端に、それまで見向きもして来なかった市長や町会長などが急に出てきて「昔から地域を挙げて応援していました。彼らは郷土の誇りです」等のコメントは興ざめしてしまいます。
共通することは「自分に興味のない事」を価値のないものと考え「オリンピック」や「紅白」など自分の知っている「権威」が認定するとその価値を認めるというものです。自分が知らない、興味のないことは仕方のないことです。しかし、それを好きな人、実際にやっている人について「価値がない」等の評価をするべきではないと思います。そして、無条件に「オリンピックでメダルを取ったから」とか、「紅白に出場したから」でその選手や競技、その音楽やバンド(歌手)の価値があたかも決められてしまうような世間の風潮は残念な気持ちでしかありません。